グリーグループでは、新卒入社1年目に活躍した社員に向けてMVP賞「Best Newgrad of the year」(以下、新卒MVP)を設けています。グループのバリュー(行動規範)の実践者として、今年は4名が最優秀賞を獲得。本記事では前編・後編に分け、挑戦を続ける受賞者の素顔に迫ります。前編では、エンジニア職の明石さんと山下さんに受賞の経緯や普段の業務、今後の目標などを伺いました。

個人の取り組みがチーム全体に波及し、調査・実装業務の手間を大幅に削減
明石:株式会社WFS / スタジオ本部 / 第3スタジオ部 / Engineering 1 グループ / Engineering 1 チーム
2025年4月に新卒入社。学生時代から個人でゲーム開発を手掛け、大学3年生の時にグリーグループの短期実践型プログラム「GREE Camp」に参加。現在はクライアントエンジニアの立場から『アナザーエデン 時空を超える猫』の開発に携わる。
――新卒でグリーグループを選ばれた理由を教えてください。

明石:きっかけは、学生時代に参加した「GREE Camp」です。これはグリーグループが主催する短期実践型プログラムで、エンジニア・デザイナー・ゲームプランナーの3職種混成チームを組み、2日間でゲームの企画からモックアップ開発まで行うというものでした。私は常々、面白いゲームというのは、作り手自身が楽しんでいたり、職種間での隔たりがない環境からつくられると考えていて、このCampの時にそれがグリーグループなら実現できそうだと感じました。

GREE Camp参加時の明石さん(右)。チームを引っ張り、優勝へ導きました。
――現在はどのような業務を担当されていますか?

明石:スマートフォン向けのシングルプレイ専用RPG『アナザーエデン 時空を超える猫』のクライアントエンジニアとして、ゲーム内の新しいコンテンツや機能の実装を担当しています。それと並行して、開発チームの生産性を高めるための取り組みも進めています。
――今回は、チームの生産性向上に貢献したことが評価され、新卒MVP受賞につながったそうですね。

明石:チームの生産性向上のためにはAIを活用することが必要なフェーズになってきていますが、WFSには「AI がクリエイターに取って代わることはない」というクリエイターファーストの考えがあります。その価値観の中で、評価いただいたポイントは二つあります。
一つは、開発案件における「プログラム領域での調査・実装過程の業務をAIなどを使いながら大幅に効率化できたこと」です。調査・実装過程の業務を進める際にAIを使う人も多いのですが、毎回AIにプロジェクト固有のルールや情報を伝えなおす必要があります。そのため、手順書に沿って一つひとつ指示を出さなくてはなりませんでした。そこで今回、プロジェクトごとのルールや情報をAIが自律的に参照する環境を整えました。AIに指示を出す手間が大幅に解消されたため、調査・実装業務がぐっと楽になったはず。今はその先として、手順書を「読む」ものから、AIを通して「実行する」ものにつくりかえ、人の判断が挟まる業務にもAIの範囲を広げているところです。
もう一つは、便利な「道具箱」ツールを開発したことです。これは、開発で頻繁に使うコマンドや機能を一か所に集約し、画面上からすぐに呼び出せるツール。AIに指示すると、その場で必要な機能を追加することもできるんです。

――今回の取り組みはどこから着想したのでしょうか。

明石:AIを使い始めてすぐに、「AIに任せやすい業務」と「AIに任せにくい業務」がはっきり分かれることに気づいたんです。例えば、プログラム領域の調査や実装過程のような業務はAIの方がスムーズに進められます。一方で、リリース作業などは、複数のツールを横断したり、人の承認が必要だったりと、AIだけで完結させるのは難しい。そこで、生産性をさらに高めるためにはAIが活躍できる範囲そのものを広げる必要があると考えました。
――2つのツールをチーム内で展開するにあたって意識したことを教えてください。

明石:導入のハードルを下げるために、ツールをある程度自動でセットアップできるようにしました。また、導入手順書もわかりやすい表記を心がけています。最初に用意した導入手順書ではうまく操作できない人もいて、何度も修正を重ねました。今にして思えば、まだユーザー目線が足りていなかったのかもしれません。ツールの開発だけではなく、多くの人に利用してもらうことの大変さが身にしみました。
――上司や先輩はどのようにサポートしてくれましたか?

明石:実は、このツールはもともと個人的に開発していたものでした。それが上司の目に留まり「チームのために展開してみない?」と声をかけていただいたのが始まりです。プロトタイプの段階では、先輩たちが実際に使ってみて、改善点や気になるところを細かくフィードバックしてくれました。そのおかげで、私の独りよがりで終わらず、チーム全体に展開できたんだと思います。何よりも、新入社員にこうした機会を与えてくれたことに感謝していますし、新入社員のアイデアが正式に採用されるのは、立場に関わらず意見を尊重するフラットな文化があってこそですね。
魅力のあるゲームを生み出すために、自ら率先して開発を楽しむ
――今回の取り組みについて、チーム内の反響はいかがですか?

明石:新入社員が先導した取り組みでもあったので、「先輩たちから一蹴されてしまうのではないか」と最初は少し不安でした(笑)。けれども、実際には「とても開発しやすくなったよ!」といったうれしい声をいただきました。ただ、上司はその先のステップを示してくれました。「開発して終わりではなく、どれだけの人に使われたのかが大事だよ」と、展開後の動向調査を促されたんです。これには「目からウロコ」でした。個人開発だとリリースした瞬間に満足してしまい、別の制作に気持ちが向いてしまいがち。上司の一言に、自分がプロの世界にいるのだと実感しました。
――今後の目標や、挑戦したいことを教えてください。

明石:「あの人に聞けば何とかなる」と頼られるようなエンジニアを目指します。技術だけでなく、企画やデザインの相談も気軽にできる存在でありたい。そのためにも、常に楽しむ気持ちを忘れずに仕事と向き合いたいです。開発している側が心から楽しんでいなければ、魅力的なゲームは生まれません。それは学生時代から変わらないモットーです。生産性向上の取り組みで言うなら、今後はゲームを実装した後の調査・確認作業の自動化にも挑戦してみたいです。現状は人の手に頼っている部分が多いので、いずれはAIに任せて、よりスムーズかつ品質を担保できる仕組みを構築したいです。

上司からのメッセージ
明石さんの上司の嶋田さんから、新卒MVPのお祝いと激励のメッセージをいただきましたので、紹介します。
嶋田:株式会社WFS / スタジオ本部 / 第3スタジオ部 / Engineering 1 グループ / Engineering 1 チーム マネージャー
明石さん、新卒MVP受賞おめでとうございます!
AIの活用について語るときの明石さんは、いつも本当に楽しそうです。その熱量がチームにも伝わり、チーム全体のAIとの向き合い方まで変えていきました。
根っこにある「面倒なことは楽にしたい」というエンジニアらしい気持ちが、調査や実装の手間を減らし、チームにものづくりを楽しむ時間を生んでくれていると感じています。
「開発している側が楽しんでいなければ、魅力的なゲームは生まれない」という明石さんの言葉を形にしてくれたのだと思います。僕自身もずっと大切にしてきた言葉で、同じ想いを持つ仲間がいることを心強く思っています。
これからも面倒を楽にし続けて、もっと便利で、もっと楽しい開発の未来をつくってくれることを期待しています!
幅広い業務に挑戦し、開発本部から6年ぶりに新卒MVP最優秀賞を受賞
山下:株式会社グリー / 開発本部 / インフラ共通部 / サービスエンジニアリンググループ / ストラテジックソリューションチーム
2025年に入社。学生時代はデータサイエンスを専攻し、入社後はエンジニアとして各種サービスやゲームのインフラ面を支える。幅広い業務を担い、AIエージェントの導入検証などにも単独で挑戦。
――新卒でグリーグループを選ばれた理由を教えてください。

山下:ゲーム業界特有のトラフィック構造に興味を持ったのが最初の入口です。例えば、朝のログインボーナスの時間帯やゲームの周年イベントの際はアクセスが急増します。そうした状況に対して、各社がどのような対処や工夫をしているのか。そんなちょっとした好奇心が、この道に進むきっかけになりました。そのうえで、グリーグループへの入社を決めた一番の理由は「人」でした。採用イベントで社員の方と一対一で話す機会があったのですが、エンジニアリングについて生き生きと語る姿がとても印象に残っていて「この人と一緒に働きたい」と思ったんです。
――入社後、トラフィックの実態を肌で感じてみていかがでしたか?

山下:初めて目の当たりにしたときは、思わず感動してしまいましたね(笑)。とあるリリース作業に関わった際は事前にアクセス数を予測し、サーバーを増強しておくなどの負荷対策が徹底されていました。「こうしてトラフィックの波に備えているのか」と、入社前の素朴な疑問が一気に解消されていくような感覚でした。

――現在はどのような業務を担当されていますか?

山下:主に各種サービスやゲームのインフラ面を支える仕事をしています。社内の「Monitoring Unit」というチームでは、グリーグループのサービス群を支える監視システムのインフラ運用を任されています。また、ゲームを安定的に提供するうえで欠かせない課金認証共通基盤「GameLib」の運用にも携わっていて、最近では負荷試験環境と本番環境を構築。そのほか、グリーがクライアントさまに技術的な価値を提供する「TOTAL TECHNOLOGY SERVICE」のインフラ部門にも携わっています。
――山下さんはさまざまなプロジェクトで成果を残されたことが評価されましたが、特に印象に残ったプロジェクトはありますか?

山下:「TOTAL TECHNOLOGY SERVICE」 のプロジェクトです。入社以来エンジニアとして自社サービスの開発と運用をしてきました。このプロジェクトにアサインされてからは、他社様がクライアントとなり技術支援を行っています。導入を検討する技術の検証から提案までの一連を任せてもらうことがあり裁量の大きさを感じる一方で、コミュニケーションなどソフトスキルの面で難しさを感じることもありました。グリーに入社して培った技術力がサービスになる、このような経験は入社前全く想像していなかったので、非常に大きなやりがいを感じていますし、エンジニアリング以外の力も伸ばせている実感があります。
――挑戦する姿勢が、今回の新卒MVP受賞にもつながったわけですね。

山下:受賞を知ったときは「本当に自分でいいのか?」と恐れ多い気持ちでいっぱいでした。上司からの推薦文を読んで、さらに恐縮してしまいましたね。
――周囲の反応はいかがでしたか?

山下:部全体ですごく盛り上がりました。なんでも、開発本部から新卒MVP最優秀賞が出るのは6年ぶりとのこと。「来年も受賞者を出すぞ!」と、意気込んでいる先輩もいるくらいです。うれしく思うものの、僕一人の力で受賞できたわけではありません。振り返ってみると、上司や先輩たちが、僕にスポットライトが当たるような機会を与えてくれたことが大きかったと思っています。技術的なサポートやアドバイスもありましたし検証では本番に近い環境まで用意していただいて。もう、それだけで感謝です。
幅広い技術をさらに磨いて、グリーグループのエンジニアリングを広く発信していきたい
――入社後、自身にどのような変化がありましたか?

山下:とりわけ、コミュニケーション力が伸びたと感じています。まわりは優秀なエンジニアばかりなので、入社直後は発言を控えてしまう場面も少なくありませんでした。けれども、今は自分の意見に自信が持てるようになりました。
――技術面の成長もあったのでは?

山下:難題にぶつかったときに、リサーチに費やす時間はかなり減りました。これまでの経験から、ある程度あたりをつけて動けるようになったのだと思います。最近は少し大胆になっていて、仮説を立てたらまず実践してみることも増えました。裁量権の大きい職場なので、自分で考えたことをすぐに試せるんです。また、エンジニアという立場からクライアントさまとお話しする機会も増えています。仕事をお任せいただいている以上、自信のない振る舞いは禁物。相手が不安を覚えたら、信頼関係は築けません。自信は技術に裏打ちされるものだと思うので、これからも経験を積み重ねながら、技術力をさらに高めていきたいです。
――今後、挑戦したいことを教えてください。

山下:社内のイベントで話す機会が増えてきたので、今後は外部のイベントにも積極的に登壇していきたいです。グリーグループが技術面で優れている点や、大切にしていることなどをエンジニアリングの成果を通じて、社外にも広く発信していくことが目標です。存在感を示していくためにも、まずは社内で「この人と一緒に仕事をしたい」と思ってもらえるようなエンジニアになりたいと思っています。今回の受賞も社内で自分のことを知ってもらう一つのきっかけになったと感じています。

上司からのメッセージ
山下さんの上司の石松さんから、新卒MVPのお祝いと激励のメッセージをいただきましたので、紹介します。
石松:株式会社グリー / 開発本部 / インフラ共通部 / サービスエンジニアリンググループ / ストラテジックソリューションチーム アソシエイトマネージャー
山下さん、この度は新卒MVP最優秀賞の受賞おめでとうございます!
本当に幅広い業務を担当していただいていますが、難易度の高い仕事にも一つ一つ着実に向き合い、素早く質の高いアウトプットを出してくれています。新しい技術にも率先して挑戦し、自分で考えて形にしてくれる姿勢を、とても頼もしく思っています。
技術面はもちろん、社内外の方とのやりとりからも成長を感じています。お客様の前で話す時も、最初は緊張が伝わってきましたが、最近は堂々と自信を持って話していて、短い期間での成長をうれしく見守っています。
これからも挑戦を続け、今後入ってくる後輩はもちろん、周りの先輩にもいい影響を与えながら、チームを引っ張っていってくれることを期待しています!

所属は違えど、同じエンジニアとして高め合う2人。今後の成長も見逃せません!
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